現在の「保育士」
保育士が正式名称となった1999年、保育士と保母は実質的に同じで、現在の「保育士」とは、立場や役割が大きく違っていたようです。
「保母」は、児童福祉法を運用するための政令である「児童福祉法施工令」に規定された「任用資格」と呼ばれる種類のもので、「任用資格」とは、公的資格のことで、その資格を必要とする職場にいる間のみ有効となるものでした。
その状態は、「保育士」に名称が統一されてからも続き、2001年(平成13年)11月30日に児童福祉法が改正、2003年(平成15年)11月29日に施工されることで、「保育士」が児童福祉法に規定のある国家資格となりました。
この改正は、保育士でない者が保育士を名乗ってその社会的信用を失わせていることや、地域の子育て支援を行う専門職として保育士の重要性が高まっていることなどが、背景となって行われました。
保育士には、都道府県知事への登録が義務付けられ、保育士でない者が保育士を名乗ることや、紛らわしい名称を名乗ることを禁止した規定(名称独占規定)や、守秘義務、保育士の信用を落とす行為を禁止するなどが規定され、罰則ももうけられました。
紛らわしい名称には、保母、保父、保育司などが該当するため、「保母=保育士」ということになりますが、現在の保育士と昔の保母では、厳密には「保母=保育士」とは言い難いでしょう。
現在の保育士は、「登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識および技術をもって、児童の保育および児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者」と定義されており、児童の保育だけでなく、保護者に対して保育に関する指導を行うことも仕事のひとつになっています。
このことからも、現在の保育士は、「保母」時代よりも、その役割は増しているといえるでしょう。